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日本は「たみ」が「おほみたから」とされる天皇のシラス(知らす、Shirasu)国です。


天皇の存在のありがたさの自覚

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20160409 天皇


矢作直樹先生が、2013年に出されたご著書に『天皇』という本があります。
学校では教えない「天皇と現代史」の真実を詳らかにした力作で、日本の国体と、扇の要である天皇を取り戻す方法がこの本に提示されています。

本書の全体の構成は、
 第一章 天皇陛下とともに生きる
 第二章 生と死の狭間で得たもの
 第三章 国際銀行家に影響された日本
 第四章 骨抜きにされた「天皇の国」
 第五章 天皇陛下の国、日本
 第六章 そして、これから
ですが、たいへん読みやすい本で、わが国における天皇の存在がどれだけありがたい存在なのかが感動とともに語られている本です。




著者の矢作(やはぎ)先生は、前東京大学医学部付属救急部集中治療部部長で東大医学部教授です。
ご著書には、ベストセラーになった『人は死なない』(パジリコ出版)があります。

この本の中に、現行法における天皇の位置づけの是正についての提案があります。
まったく同感ですので、それを皆様にご紹介したいと思います。

*******
矢作直樹著『天皇』扶桑社
(P.167~p.171を引用)

東日本大震災における原発大事故も戦争も、国民の生存そのものを脅かすという点では共通しています。
戦争では相手が外国であるので戦力が話題の中心になりがちです。
しかし、法体系、戦力、情報取得力、兵站がどんなにしっかりていていても肝心の国民の意思がひとまとまりにならなければ本当の力になりません。
そういった意味でも、私たちが自分を守り、大切な人々を守り、故郷を守り、そして国土を守って生きていくにあたり、誰よりも日本のことを思っておられる天皇陛下を戴いていることは本当に幸せなことです。

ただし、現行法(日本国憲法)には、皇室を支える仕組みを壊すGHQの意図が反映されているので、これを是正することが先決です。
本来ならば一度旧憲法(大日本帝国憲法)に戻してから改憲の話をするのが筋だと言いました。
ところが朝鮮戦争後、実質的に米国から日本マターになったにもかかわらず手付かずのまま70年近くがたち、国民も現憲法の問題とは無関係に馴染んでしまっているため、現実には現行憲法の「改憲」になると思います。
そのとき、仮に国体を変えないとしても、最も大切なところとして天皇家を支える仕組みをしっかりと作り直すことが最重要だと考えます。

当事者であられる今上陛下ご自身は、
「私は即位以来、昭和天皇を始め、過去の天皇の歩んできた道に度々思いを致し、また、日本国憲法にある『天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴』であるという規定に心を致しつつ、国民の期待にこたえられるよう願ってきました。
 象徴とはどうあるべきかということはいつも私の念頭を離れず、その望ましい在り方を求めて今日に至っています。
 なお大日本帝国憲法下の天皇の在り方と日本国憲法下の天皇の在り方を比べれば、日本国憲法下の天皇の在り方の方が天皇の長い歴史で見た場合、伝統的な天皇の在り方に沿うものと思います」とお述べになっています。(天皇皇后両陛下御結婚満50年に際して)。
つまり、権力に関わらない、国および国民統合の象徴(権威の象徴)というのが古来の天皇の在り方であったのです。

そこを外さないように肝に銘じつつ、具体的には、以下の事項が必須ではないかと考えます。

1 日本国天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であり、この天皇が日本国元首であると明記(日本国を対外的に代表するという外交慣例上の実勢を素直に反映させる)する。今さら説明はいらないと思います。

2 皇室典範を皇室に戻す。
現行憲法第一条の「国民主権」との整合性から、現皇室典範の改定を司る「皇室会議」の議員は国民主導で10名中8名が国民の代表である国会議員など皇室以外の人たちで校生されています。つまり、皇統の伝統も歴史も理解できているとは思えない国民が、天皇陛下のご関与できないところでわが国の最も大切な皇位継承にあずかるという大変危うい仕組みになっています(第5章 皇室会議 第28条第2項)。この是正がせひとも必要だと思います。

3 天皇・皇室を支える組織の設置。宮内庁の宮内省への改組。
今のような「内閣府に置かれる機関」から新皇室典範のもと、独立官庁として改組する必要があると考えます。また職員も今のように他の省庁からの出向でなく、天皇陛下にお仕えするという自分の意思で奉職し不都合がなければ永年勤続できる仕組みにする必要があります。

4 現存御料の返却、管理運営する法律の制定。
そもそも大日本国帝国憲法施行以前から天皇・皇室の財産であった御料については、本来の持ち主である天皇・皇室にお返しし、宮内省と財務省が共同で管理するのがよいと考えます。

5 現皇室典範で禁じられている養子(第9条)を認めることで、皇族ないしは旧宮家の男子を養子とすることにより男系男子継続が可能です。
また、子がなく断絶する宮家に後続ないしは旧宮家との養子を認めることで存続が可能になります。
また、皇族女子が皇族でない男子と結婚された場合の皇籍離脱(第12条)に例外を認め、女性宮家創設を認め皇族として残られることで天皇の補佐をしていただけるようにすることも考慮してよいのではないでしょうか。

6 宮家の復活と(財政基盤を含めた)それを可能にする法律の制定。
軽々に部外者が述べてよいことではないと承知していますが、やはり伝統という日本人の何にも代え難い長年の結晶のひとつであったので、天皇・皇室と当事者となる旧宮家の方々のご了解のもと希望する方々の復活が得られることを切に願っています。

将来の皇室の在り方に関しては当事者であられる天皇家の方々のお考えですが、皇位継承の制度にかかわることについては、「国会の論議にゆだねるべきである」(天皇陛下ご即位20年に際し)と天皇陛下がおっしゃっていらっしゃいますので、国民とその代表である国会議員は天皇陛下の思召しを忖度し、伝統の持つ意味の重さを十分に理解し、勇気と英知をもって真剣にすすめていくべきと考えます。

********

日本は、天皇あっての国です。
日本人も、天皇あっての日本人です。
日本に生まれて日本に住み、日本語を話したら日本人かといえば、それは違います。
日本国籍を持っていても、これが理解できないなら、その時点で、その人は日本人ではないと言い切っても良いと思います。
日本人は、天皇の存在のありがたさの自覚をすることが、日本人としての第一歩であると思います。

なぜそれほどまでに天皇の存在が大事かといえば、日本は、上古の昔から天皇という国家最高権威によって、民衆が「おおみたから」とされてきたからです。
いまこれをお読みのあなたも「おおみたから」、あなたの近くにいる人も天皇の「おおみたから」です。

「おおみたから」ということは、もっとも大事な「たから」だということです。
そして政治権力者は、天皇によって親任され、天皇の「おおみたから」が、豊かに安全に安心して暮らせるようにサポートをしていくことが仕事とされてきました。
このことが、日本人を日本人たらしめた原因です。
そしてこのことが持つ意味のありがたさは、ちゃんと教えなければわからないことです。
だから日本は「シラス国」です。
「シラス国」は、漢字では「知国」と書きます。
日本人であることの意味と意義を自覚するところから、日本人が始まるのです。

いま、日本でいちばんの権力者は安倍総理です。
けれど、総理は偉い人だけれど、みなさんのお気持ちの中には、人としては総理も自分も対等だという観念があるものと思います。
命としてみれば、それぞれがおなじひとつの命です。

このように、人の上に立つ偉い人と、下にいる民衆が、人として対等だと言い切れる体制を、日本は上古の昔から築いてきたのです。
この統治の在り方が、では、いったいいつ始まったのか。
具体的な時点を明らかにすることはできません。
なぜなら、できないくらいに古い時代から、このことこそが日本人の骨格となってきたからです。

シラス統治の仕組みは、高天原で天の岩戸開きのあとに、この権威と権力を分離するという手法が生まれ、この高天原と同じ手法で中つ国の統治を行うために、邇邇芸命(ににぎのみこと)が天孫降臨して、わが国が始まっています。
つまり神話の昔から、日本は、権威と権力が分化し、権力は、天皇の「おおみたから」である「民」をサポートする役割を担っているとされてきたのが日本なのです。
だからこそ日本は、世界でもっとも古い国であるのです。

この、天皇という最高権威によって、民衆が「おおみたから」とされ、国家権力、政治権力はそのサポート役と規定されているという統治の仕組みは、究極の民主主義ということができます。

近代以降の国家がたどり着いた議会制民主主義は、この日本古来の統治の姿よりも劣ります。
なぜなら、議会を担うのはなるほど民衆によって選ばれた議員ですが、選ばれて統治者となった瞬間から、その議員は民衆の上位支配者の地位となることができるからです。
多数決にも問題があります。
100人の議会で51:49で可決されれば、49の意見は無視されるからです。

これに対し、天皇による統治の仕組みは、常に民が豊かに安心して安全に暮らせるようにするために、政権力が存在しているとされているという意味において、西洋生まれの民主主義よりも、もっと民を大切にする仕組みであるということができます。
この統治の仕組みが「シラス統治」であり、国のカタチです。

逆に言うと、天皇の存在をないがしろにする者は、権威と権力の両方を手に入れることで、民衆を支配したい人たちということができます。
悪いけれど、そんな人たちが我々の上にいることは、御免被ります。

ですから私たちがいま、憲法論議以上に実現をしなければならないことは、天皇の存在を取り戻すことです。
具体的には、矢作先生が提示された1〜6を実現することです。
私が、百人一首の解読をしたり、古事記の解読をしたりするのも、まさにそのための行動です。

日本人が目覚めるということは、日本は、日本人ひとりひとりが、天皇の「おおみたから」とされている国なのだということを思い出し、これを日本人社会の常識化するということであると、私は思います。

その意味で、矢作先生の6つの提案は、実は憲法改正以上に大事なことです。
このことの自覚がなければ、憲法を変える意味さえありません。

20151208 倭塾・動画配信サービス2


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コメント
No title
天皇陛下がおられるだけで、日本は素晴らしい国になっています。
天皇陛下は権威を持って施政者に権限を与えて政治を行わせ、施政者は天皇の民である国民を預かって統括する。
他の国に真似のできない、やり方です。
2016/04/10(日) 17:45 | URL | ポッポ #-[ 編集]
No title
養子制度は極左の迂回戦術 #女性宮家
http://megu777.blogspot.jp/2012/03/blog-post.html
2016/04/10(日) 17:10 | URL | junn #p4GOlP7Y[ 編集]
積ん読に終わらせない!
矢作直樹さんの『天皇』、私も買いました。
書店で手に取り、「これは買わねば!」と思いました。
良書も、積ん読では価値がない。
これから読みます!
2016/04/10(日) 10:55 | URL | 越智冨雄 #Nwl4kFog[ 編集]
この世に他に無いものであるが故に。
 天皇という存在を規定するには、既存の(支那・欧米に端を発した)思想に拠っては不適当だと考えます。
 日本人が独自に培った不文律を、支那・欧米からの「思想的な攻撃」に耐えられるように文字に起こして整理する作業が必要になるでしょう。
 明治維新以来その作業は進められてきましたが、あれでもまだ拙速に過ぎたと自分は思っています(朝鮮人が作業に割り込んだ事によってかなり歪んでいます)。
 大東亜・太平洋戦争の「敗北」で作業は中断してしまいましたので、国民が広く参加した形で作業を再開する事については異存有りませんが、戦では無いのですから兵聞拙速の態度は慎まねばなりません。

 ……ただ、今はもはや非常事態と言える世界情勢下ですので、日本の安全保障製作を論じる事(要は日本国民の身命財産の保護と、それを担保する日本の国体の護持)に力を注ぐべきだと思うのです。
2016/04/10(日) 08:18 | URL | 「ど」の字 #/rKlrZ.I[ 編集]
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小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
静岡県出身。国史啓蒙家。倭塾塾長。日本の心をつたえる会代表。日本史検定講座講師&教務。
連絡先: nezu3344@gmail.com
著書
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』第1巻〜第3巻
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』
日々、先人たちへの感謝の心でブログを書き綴っています。それが自分にできる唯一のお国への、先人たちへの、そしていま自分が生かさせていただいていることへのご恩返しと思うからです。こうしてねずブロを続けることで、自分自身、日々勉強させていただいています。ありがたいことです。

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