アクセスランキング

敷島の大和心を人問わ(は)ば 朝日ににおう (ふ) 山桜花(本居宣長)。日本は天皇を国家最高権威とし、民を「おほみたから」とする「シラス国」です。


真理を究める 林羅山

人気ブログランキング ←いつも応援クリックをありがとうございます。

湯島聖堂
20170211 湯島聖堂
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています)


林羅山は、本能寺の変の翌年にあたる天正11(1583)年に、加賀で生まれました。
後に紀伊に移り、京の都に住みました。
羅山は、生まれながらの秀才です。
8歳で太平記を読み、それも一度読んだだけで、そのまま暗記して一字の間違いもなく筆記できたといいますから、これはもう神童のレベルです。

14歳の頃、建仁寺に通って書に親しみました。
寺では、羅山があまりに秀才であることに驚き、この者が仏門にあって寺にあれば、かならず善知識になるであろうと出家を強くすすめました。

羅山は、これを拒みました。
あきらめきれない僧侶たちは、前田玄以を通じて、羅山を寺に入れるように羅山の親に頼み入れました。
父の信勝は、
「我が子がそれを好むならば」
と答えました。
ところがなぜか羅山は、これを断固拒否しました。
それどころか、二度と建仁寺に足を踏み入れなくなりました。


20161026 倭塾バナー


【倭塾】(江東区文化センター)
〒135-0016 東京都江東区東陽4丁目11−3
第37回 2017/2/26(日)13:30〜16:30 第4/5研修室
第38回 2017/3/18(土)18:30〜20:30第4/5研修室
第39回 2017/4/9(日)13:30〜16:30第4/5研修室
第40回 2017/5/13(土)18:30〜20:30第1/2研修室

【百人一首塾】(江東区文化センター)
〒135-0016 東京都江東区東陽4丁目11−3
第12回 2017/2/ 9(木)18:30〜20:30 第三研修室
第13回 2017/3/23(木)18:30〜20:30 第三研修室
第14回 2017/4/20(木)18:30〜20:30 第三研修室
第15回 2017/5/18(木)18:30〜20:30第三研修室


羅山の若い頃には、まだ宋学(儒学の一派)を講ずる者はいませんでした。
羅山は18歳のときに、この朱氏の宋学を読んで感動し、仲間を集めてその注釈を講じはじめました。
このことを知った清原博士という人が、徳川家康に、
「最近、林羅山という者が、
 京の町で新たな儒学(宋学)を説いているという。
 昔から勅許がなければ、
 新書を講じてはいけないしきたりである。
 いわんや、市井の者が儒学の新説を講ずるなど
 生意気で、おこがましい」
と評しました。

家康はこの言をしりぞけ、むしろ、
「それをやり遂げようとしている羅山という若者こそ
 見どころのある男だ」
と、それからいくばくもなくして、羅山を城に招き、講義をさせました。
家康は羅山を顧問にし、後に羅山は幕府官学の開祖と呼ばれるようになります。
羅山23歳のときのことです。

ちなみにこの後、林羅山は、方広寺鐘銘事件で、京都南禅寺の禅僧文英清韓の書いた「国家安康、君臣豊楽」が徳川家を呪詛するものとして、秀頼を叩く口実を見出し、また、徳川幕府の土台作りに深く関わるとともに、江戸の上野不忍池に忍岡聖堂という学問所を開設し、この学問所が後に神田の昌平坂に移されて、江戸の昌平坂学問所となりました。
いまも、そこには湯島聖堂が遺されています。

さて、寛永年間のとき、井伊侯が羅山に問うたことがあります。
「人は漢の高祖の時代の猛将・樊噲(はんかい)の勇気を称えます。
 けれど勇気なら私も負けていません。」
羅山は次のように答えました。
「樊噲(はんかい)が称えられているのは、
 戦に強かったとか、武勇に優れていたからではありません。
 相手が高祖であっても、堂々と諫言を行ったからです。
 これは実に大勇者でなければできないことです。
 その身を矢や投石にさらし、
 敵をしりぞけ、首を斬り、
 旗下の急を脱することも、もちろん勇ですが、
 それは鎧武者を連ねて指揮を執る者ならば、
 誰もが行うことです。
 それだけでは、君はその将の言うことを聞きません。
 外に向けての攻撃ではなく、
 自らの内側から省(かえり)みる心がなければ、
 人は、その者の言うことは聞かないものです。」

これを聞いた井伊侯は、
「まことにその通りです。
 私はまだまだ樊噲(はんかい)に遠く及びません」

羅山の思想は、儒学の中の宋学(朱子学)を本としながら、日本古来の神道とこれを結びつけた点にあるといわれています。
たとえば「三種の神器」を儒学の「智・仁・勇」の「三徳の象徴」として理解したりするなど、儒学と神道を関連付けることで、日本的価値観のもとに、儒学を学ぶというものです。
もっといえば、死んだ後に極楽浄土に行くことを願うのではなく、いま生きているこの世の中を、王道楽土にしていくことこそが必要であり、そのために、礼節があり、法があり、敬神があるとしたところに特徴があります。

渡来物をただありがたがっていてもダメだということです。
日本には日本の歴史伝統文化があり、その中で消化して受け入れ、学ぶのでなければ意味がないといことです。
では、何のために学ぶのかといえば、羅山は、人は天理を受けて生まれてくるのだから、もともとの本性は、善だというのです。
ところが世の中の情欲、つまりそれは金銭欲だとか、名誉欲だとか、性欲だとか、それ自体は、決して悪いものではないけれど、そこに押し流されれば、欲望の虜になり、悪徳となる。
だから、学問によって、真理を学び、極め、修養によってそれらの欲を取り去る。
それが学ぶことの意義である、というのです。

都で、23歳の若造の羅山が新しい学派を立てて教えているのは生意気だと、羅山を排斥しようとした人がいました。
その言いぐさが、
「新しい学派を建てるには勅許が必要だ」と。
そんなことがいつ決まったのでしょうか。
それこそちゃんちゃらおかしいというべきものです。

そもそも何のために学ぶのかといえば、真理を極めて欲望の虜から開放される修養を積むためです。
言い換えれば、それは自らの御魂がこの世に生まれ出てきた本義に立ち返ることです。
それぞれが、そうして真理を極めようと真剣に努力していくことが大事なのです。
その内容も見ずに、生意気だと決めつけるほうが、生意気なのです。

その意味で、羅山は極めて現実主義です。
その現実主義であることが、二度と戦国の世に戻らないために、強力な幕藩体制を築こうとした家康の信念と一致し、羅山は家康・秀忠・家光・家綱と四代の将軍に仕え、明暦3(1657 )年、75歳でこの世を去りました。

ちなみに林羅山の名前が「羅山」であることから、羅山の学問は、秀吉の朝鮮出兵の際に我が国に流入した朝鮮朱子学であり、羅山の号も朝鮮の『延平問答』に由来するなどと、アホな解説をしている者がいます。
「羅」という漢字は、鳥を捕える網を意味します。
要するに、山で鳥を捕えるのです。
姓も林です。

林にしても、森にしても、山で鳥を捕まえるのは、至難の技です。
けれどあえて、その困難に挑戦していこうとする、それが、林羅山という名前に込められた意味です。
ちょうせんはちょうせんでも、朝鮮ではなく、挑戦のための名前なのです。

お読みいただき、ありがとうございました。

人気ブログランキング
↑ ↑
応援クリックありがとうございます。

20161026 倭塾バナー


20160810 目からウロコの日本の歴史


【メルマガのお申し込みは↓コチラ↓】
ねずさんのひとりごとメールマガジン有料版
最初の一ヶ月間無料でご購読いただけます。
クリックするとお申し込みページに飛びます
↓  ↓
ねずブロメルマガ




関連記事

コメント
No title
こんにちは。藤原惺窩のお弟子さんですね。林羅山は儒学勢力を作った。
江戸時代初期の幕府にとって、仏教勢力と対抗して抑制する儒学勢力を作る
のは良策だったのではwキリスト教に関しては、日本人でキリスト教を後に
棄教した不干斎ハビアンが「妙貞問答」「破堤宇子は・だいうす(ゼウス)」
で徹底的に宗教比較を仏教宗派もふくめて行い、キリスト教の矛盾を突き、
外国の文献にも名が残る程であったと・・これを理論武装に使わない手はな
いw政教分離の上、仏教も儒学も抱き込むという技で、キリスト教は放逐。
タヌキおやじとブレイン達の海千山千ぶりの炸裂w国を分裂させないために
は、うまく抱き込むこと。お互いに違う役割を振ってやる事。
このハビアンと林羅山は論争しているのだが、テーマは地球学。ハビアンの
地動説を林羅山は天動説で論破したというのだから・・羅山の論争力ときた
ら大したものかも・・と・・え?この二人は同じく加賀国に由縁がある・・
ハビアンは加賀あるいは隣の越中国の生まれで、林羅山の父は加賀国郷士の
末裔・・w偶然かな~ハビアンの母は秀吉正室ねねさんの侍女だって~w・・
アヤシイ・・キリスト教潰しの工作なんじゃ~ないかな~?林羅山に負けて
見せる・・キリシタン大名に見せつける・・とか?加賀・・戦国時代にはね
ずみと呼ばれていた忍者集団がいたそ~なw越中には加治流の中に郷談とか
呼ばれた忍びがw面白妄想満載の戦国時代末期~江戸時代創成期。
2017/02/14(火) 01:15 | URL | くすのきのこ #-[ 編集]
学派
> 「新しい学派を建てるには勅許が必要だ」と。

当時、学問を行うのは事実上(仏教)僧侶だけだったので、既存の宗派と異なる教えを論ずるならば、新たな宗派を作ろうとしていると見做されるのは致し方のないところではないでしょうか? そして新たに立宗するには勅許が必要だと考える人もいたのでしょう。

蘇我氏や聖徳太子の代に仏教が入ってきたとされますが、奈良時代にはさらに篤く仏教が保護されました。仏僧は課役や税が免除されたため、勝手に僧を名乗る私度僧が増加しています。

それもあって朝廷は大陸から高僧・鑑真和上を呼び、東大寺などに戒壇を築いて授戒を行なうようにしました。戒壇の建立には勅許が必要とされ、私度僧は律令にある戸婚律や僧尼令で禁止されることになります。

平安時代になると延暦寺に勅許が降て大乗戒壇が建立されると、奈良時代の南都系戒壇は勢力を失っていきますが、それでも鎌倉時代初期に奈良・興福寺は新しく興った専修念仏に対して勅許も得ずに新宗を立てていると非難し、その禁止を朝廷に上奏しています。

鎌倉仏教はある意味で勝手に成立して独自の得度・授戒を行うようになりますし、浄土真宗は無戒ですから受戒もありませんが、僧階の昇補や高僧への賜号、紫衣着用などについては依然として勅許や綸旨が必要とされました。

羅山以降、時代が下ると儒学が儒学として認識され、蘭学が登場し、それらに影響されて国学が成立するころには学問と仏教は別物と認識されますが、江戸時代最初期にはまだ同一視されていたのではないかと思います。
2017/02/13(月) 12:40 | URL | ピリカラ #-[ 編集]
No title
朝鮮の「返せばいい」モラルが破壊する天皇の教え
http://tainichihate.blog.fc2.com/blog-entry-415.html
2017/02/13(月) 08:31 | URL | junn #p4GOlP7Y[ 編集]
No title
江戸時代の資料原本を見たら、林羅山の号は、中国の羅浮山から取ったって書いてありましたよ。ほかに羅洞の号もあります。
2017/02/13(月) 08:10 | URL | #-[ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
最新刊
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』

AdSense
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク
このブログをリンクに追加する
リンク2
AdSense
カテゴリ
月別アーカイブ
AdSense
解析
スポンサードリンク
ねずさん(小名木善行)著書
↓最新刊↓


↓好評発売中↓






ねずさんメルマガ
ご購読は↓コチラ↓から
ねずブロメルマガ
ご寄付について
ねずブロはみなさまのご支援で成り立っています。よろしかったらカンパにご協力ください。
【ゆうちょ銀行】
記号番号 00220-4-83820
【他金融機関から】
銀行名 ゆうちょ銀行
支店名 〇二九(店番029)
種目  当座預金
口座番号 0083820
口座名義 小名木善行
【問い合わせ先】
お問い合わせはメールでお願いします。
nezu3344@gmail.com

講演のご依頼について
最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
テーマは、ご自由に設定いただいて結構です。
講演時間は90分が基準ですが、会場のご都合に合わせます。
E-mail nezu3344@gmail.com

講演テーマ
<ご参考>
古事記に学ぶ経営学
古事記に学ぶ日本の心
百人一首に学ぶ日本の心
女流歌人の素晴らしさ
日本人の誇り
その他ご相談に応じます。
検索フォーム
AdSense
関連サイト
祝日には国旗掲揚を!
御国旗セット
¥2,190

大型御国旗セット
[ステンレス製3mポール付き]
¥4,800

御国旗伸縮ポールセット【大サイズ】
¥3,000

御国旗セット L
[ マンション設置用 Lタイプ テトロン 国旗 ]

台灣民政府
台湾民政府
サンフランシスコ講和条約で、日本は台湾に関して処分権は連合国に提供しましたが、領土の割譲は行っていません。条約以降、連合国も日本も台湾の処分先を決めていません。つまり台湾はいまも日本であり、台湾にいる1500万人の戦前からいる台湾人は、日本国籍を有する日本人です。私は台湾民政府を支持します。
お薦め書籍1

日中戦争-戦争を望んだ中国 望まなかった日本


江戸の自治制


幻の黄金時代


ドキュメント自衛隊と東日本大震災

AdSense
コメントをくださる皆様へ
基本的にご意見は尊重し、削除も最低限にとどめますが、コメントは互いに尊敬と互譲の心をもってお願いします。汚い言葉遣いや他の人を揶揄するようなコメント、並びに他人への誹謗中傷にあたるコメントは、削除しますのであしからず。
最新トラックバック
AdSense
コメントをくださる皆様へのお願い
いつもたくさんのコメントをいただき、ありがとうございます。
ほんとうに皆様のコメントが、とっても嬉しく、かつありがたく拝読させていただいています。

議論というものは、すくなくともこのブログのコメント欄が、国政や地方自治、あるいは組織内の意思決定の場でなく、自由な意見交換の場であるという趣旨からすると、互いに互譲の精神を持ち、相手を尊敬する姿勢、ならびに互いに学びあうという姿勢が肝要であると存じます。

私は、相手に対する尊敬の念を持たず、互譲の精神も、相手から学ぼうとする姿勢も持ち合わせない議論は、単なる空論でしかなく、簡単に言ってしまえば、単なる揶揄、いいがかりに他ならないものであると断じます。

ましてや、自分で質問を発したものについて、それぞれお忙しい皆様が、時間を割いて丁寧にご回答くださった者に対し、見下したような論調で応対するならば、それは他のコメントされる皆様、あるいは、それをお読みになる皆様にとって、非常に不愉快極まりないものとなります。

従いまして、謙譲・互譲・感謝、そして学ぶという姿勢のない連続投稿、粘着投稿に類する投稿をされた方については、以後のコメント書き込みを、管理人である私の判断で投稿の禁止措置をとらせていただきますので、あしからずご了承ください。
エディタ・コミュニティ
edita.jp【エディタ】
amazon
通州事件の真実
通州事件を実際に体験された女性の手記です。
クリックするとテキストファイルが開きます。
https://docs.google.com/file/d/0B9Dh1-gISO9CZERHN2oxempSeEk/edit
パチンコをはたき出せ!
パチンコ撲滅
パチンコ市場は21兆円
そのお金を消費に向ければ莫大な経済効果が生まれる!

 ↓関連記事↓
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1197.html
やまと新聞を守れ!

やまと新聞は、戦後GHQの圧力に屈することなく、日本のジャーナリズムの正義を貫いた唯一の新聞です。
みんなの力でやまと新聞を応援しよう!!
やまと新聞社の公式HPは
 ↓コチラ↓
http://www.yamatopress.com/ 購読料は月500円です。
下の窓の中味をコピペすると、上のバナーをご自分のHPに貼ることができます。
やまと新聞の紹介記事はココをクリック
殲滅支那大連盟
殲滅支那大連盟

■満州国臨時政府■
 ↓ ↓ ↓
http://www.manchukuo.net/
ねずブロの拡散・転載について
当ブログの日本の心を伝えるための適法かつ前向きな拡散はおおいに歓迎です。 ただし適法な引用でないと、著作権侵害で処罰されることがありますのでご注意ください。
RSSリンクの表示
FC2ブックマーク

PING送信プラス by SEO対策

QRコード
QRコード
スポンサードリンク